この本は、著者の前作「反応しない練習」の実践編です。
悩みを増やさないためには「ムダな反応をしない」こと。
悲しみや苦しみはすべて、心の反応がつくりだしています。
だからムダに反応しなければ、多くの悩みは解消できるのです。
本書には、50個のプチ修行があります。
修行と言っても練習(レッスン)といった感じですね。
全部は紹介できませんが、だれにでも必ず役に立つ内容です。
ブッタが出てきますが、宗教やスピリチュアルの本ではありません。
心のマニュアル本だと思います。
こんな人におすすめ
- 人生がつらい人
- つい妄想してしまう人
- 頑張っても成果が出ない人
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この記事は『これも修行のうち。』
(著者) 草薙龍瞬 出版社 : KADOKAWA (2016/4/14)
より出典・引用して書いています。
著者の紹介
草薙龍瞬 (くさなぎ りゅうしゅん)
- 僧侶、興道の里代表。1969年、奈良県生まれ。
- 中学中退後、16歳で家出・上京。放浪ののち、大検(高認)を経て東大法学部卒業。
- 政策シンクタンクなどで働きながら「生き方」を探究しつづけ、インド仏教指導僧・佐々井秀嶺師のもとで得度出家。
- ミャンマー国立仏教大学、タイの僧院に留学。現在、インドで仏教徒とともに社会改善NGOと幼稚園を運営するほか、日本では宗派に属さず、実用的な仏教の「本質」を、仕事や人間関係、生き方全般にわたって伝える活動をしている
『これも修行のうち』の要約
第1章 感覚のプチ修行
反応し続けるかぎり、疲れは取れない。
反応を止める基本は感覚を意識すること。
サティ(気づき)の力とは、マインドフルネスの状態です。
つまり、マインド(意識を)フルに(十二分に)使っている状態。
それをブッタが生きていた古代インドでは、サティ(気づき)と呼んでいたのです。
最も素朴なサティの定義は、「心の中に〝ある〟ものを〝ある〟と理解すると」 です。「理解」の代わりに「気づく」「察知する」「認識する」とも表現します。
これも修行のうち。第1章より
ラベリング(言葉で確認する)
ラベリング(言葉で確認する)とは、
服を着るときに、「今から服を着ます」「今服を着ています」「今服を着終わりました」と、動作をひとつずつ確認していくことです。
言葉による確認は「自分の心」にも応用できます。
- 怒りを感じているときは、「怒りの感情がある」と確認します。
- イヤな過去を思い出してしまうときは、「記憶を思い出している」と確認します。
- 緊張しているときは、「緊張している」と確認します。
カギとなるのは、感覚であれ、感情、記憶、妄想であれ、「客観的に言葉で確認する」ように努めることべす。
心の中に出てきた感情を、一歩引いたところから客観的に見れるようになれば、ムダな反応をしなくてすむようになります。
感覚のプチ修行ではこの他にも、
仕事前の「30秒座禅」
「心の指さし確認」
心を尽くして「家事」
近くの銭湯で「若返る」
などがあります。
第2章 感情のプチ修行
心の基本はニュートラル
感情は三種類
快──好き・楽しい・ハッピーというポジティブな反応
ニュートラル──快でも不快でもない状態(正確には「感情がない」状態)
不快──嫌い・イヤだ・苦痛だというネガティブな反応
望ましいのは1⇒2⇒3の順番ですが、現実は「楽しいこと(快)を探して不満を生み出し、不快を遠ざけようとしつつ、実際には怒ってばかり」という姿なんです。
今の時代は欲を刺激してくる情報が氾濫しています。
テレビやネットを見れば「おすすめ商品」が目の前に現れ、反応を迫ってきます。
心は、こうした刺激にすぐ飛びついてしまいます。
なぜなら、
反応すればイイコトがある
反応すること以外に、心の使い方を知らない
という二者択一のしか知らないからなんです。
望ましい心の習慣とは「ニュートラル」でいることです。
つまり、快にも不快にも反応しない状態。
世間の常識では「退屈」「つまらない」と感じてしまう、この状態こそが、本当は「心の基本」だということです。
これも修行のうち。第2章より
快か不快という2つの反応を、行ったり来たりしている状態は心が疲れます。
ムダな反応で消耗しないためには、快でも不快でもないニュートラルな状態に戻ることです。
安らぎや、落ち着き、穏やかさや集中する力などはニュートラルな精神状態から始まります。
となれば、普段から「まずはニュートラルな心に立つ」ことですね。
ふだんの感情の持ち方として望ましいのは、
ニュートラルが基本。
快はおまけ。
不快は避けるべきだが、反応することは人との関係に不可欠だから、不快を感じたら上手に解消する。
ということになります。
感情を外から眺める(客観的に見る)
動じない自分をつくる
「○○と(私は)怒っている」
「○○と(私は)反応している」
「○○と(私は)不満を感じている」
こんな感じに自分の反応を言葉で確認するのです。
今の気持ちを実況中継するようにして、客観的に見ます。
怒りを減らしていく
おきてしまった怒りは、どのように消せばよいのでしょうか
それは、
「それ以上に反応しないこと」
怒りの感情も、放っておけば消えていきます。
怒りの真逆は「正しい理解」
怒ってはいけないと思いながらも、現実は「怒り」や「不満」だらけ。
その一番の理由は「心を理解していない」からなんです。
なぜ人は起こりたがるのでしょう?
- 怒ることになれている
- 性格的に怒りっぽい
- 怒ることで元気が出る気がする
- 怒ることで自分が正しいと思える
怒りをよしとするか、克服するか立ち位置を決める。
怒りで反応すれば、こちらがダメージを受ける。
究極のところ、自分の心の状態「満足か不満足か」を決めるのは自分です。
快(楽しい)は四種類
- 欲求が満たされたとき(欲の満足)
- 不快な感情から解放されたとき(心が浄化されたときの快)
- 感覚・思考・意欲に快や楽しさを感じたとき(人さまざま)
- 相手の喜びに共感できたとき(喜の心で反応したとき)
快の基本は集中すること
意識を余計なモノゴトに使わずに、一点に注ぎ続ける。
これは集中力を身につけるコツでもあります。
心の容量は限られている
反応に使える意識の量には限りがあるのです。
人の意識には容量があって、その中で思考や感情の反応に使っています。
「イライラする」のは怒りの感情
「不安になる」のは妄想状態
人間の脳は1つのことしか考えられません。
限りある資源なのです。
心がけるべきは、限りある意識(心)を、自分にとって必要・大切なモノゴトや、快・幸せに使うという発想なのです。
これも修行のうち。第2章より
感情のプチ修行ではこの他にも、
「反応はできるけど」と余裕をかます
「怒りの割合」を数値化してみる
「平和だった頃」を思い出す
「お役に立てればよし」と考える
「相手も大変なんだ」と考える
「目を閉じて」食べる
などがあります。
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第3章 考え方ののプチ修行
考え方が変われば人生が変わる
【考え方を入れ替える方法】
- 快ある方向をめざす
- 言葉抜きの練習をする
- 間違った考え方に気づく
- 新しい考え方を覚えていく
快ある方向をめざす
1 正しい方向を見定める(目的を明確にする)
2 正しい方向を実践する
3 正しい心の前提に立つ(クリーンな心の状態に立つ)
妄想と方向性は違う
妄想は、ただ妄想しているだけで行動しない。
しかも、疑いや不安、後悔など暗い妄想もある。
行動しないのが妄想で、行動に移すのが方向性
山登りにたとえると、
やまの頂上は方向性
登らないままなら妄想です。
暗い妄想は目を開いてリセット
思い描く内容がなんであれ、まだ起きていないのなら、それは妄想です。
妄想をリセットする練習
目を閉じて、今考えていることは妄想だと確認する
目を開いて、目に見える光や、手足の感覚を意識して、「さっき考えていたのは妄想だった」とはっきり自覚する。
「なんとかなる」と言葉で念じる。
考え方次第で、日常の景色はガラリと変わります。
妄想時間を減らすと幸せの総量は増える。
ムダな考えは抜いて消す「言葉抜き」
- 自分の考えを言葉にする
- 言葉を抜いていく
- 言葉にしない状態に慣れる
例えば職場で、「あの人は仕事が遅いよな、そのくせ他の人の仕事ぶりには厳しいよ」という言葉が浮かんだとします。
それを、「あの・・・は・・・よな、その・・・には・・・し」
さらに、「・・・は・・・よな、・・・には・・・し」
そして、「・・・、・・・」
言葉を抜いて、最終的には「・・・(沈黙)」にしてしいます。
考えないことは最高の快です
自分自身を正しく理解しようと心がけたとき、人は”足元だけ“を見るようになります。
これも修行のうち。第3章より
「新しい考え方」を身につけるエクササイズ
考え方を変えるには、使う言葉を変えるのです。
仕事で大きなミスをしてしまったとき
【普通の考え方】
信用を落とした。評価を下げた。
もしかすると、クビかもしれない。
【新しい考え方】
失敗は失敗、ミスはミス。(理解するが反応しない)
今からできること(方法)は?
ここからベストにチャレンジだ。
このように出てくる言葉(反応)はさまざまです。
だから、心の底にある心がけ・心の土台を入れ替えることが、考え方を入れ替える上で効率的なのです。
これも修行のうち。第3章より
考え方のプチ修行ではこの他にも、
「楽しいゴール」を考える
頑張っている人に自分を重ねる
デジタル反応に近づかない
「ムッとした」自分に気づく
「小さく、小さく」で心を守る
などがあります。
第4章 意欲のプチ修行
ヤル気の正体を知る
- 欲求を満たそうとするヤル気【単純な欲求】
食欲や、快楽を求める欲求。承認欲。 - 妄想を成就したいというヤル気【欲望・憧れ】
広告などを見て、妄想で反応して、欲しくなってしまう。 - 新しいことを体験したいというヤル気【ワクワク感】
知的好奇心やチャレンジ精神 - とにかく頑張らねば・やらねば、というヤル気【気合い・根性】
快(喜び)はなく「やめてはいけない」だけで頑張ってしまう。
ヤル気はいわば、「モノゴトに取り組むエネルギーのカートリッジ」だと思ってください。
これも修行のうち。第4章より
意欲のプチ修行ではこの他にも、
「貢献できればよし」と考える
とにかく「作業」から始める
イラッとしたら「足の裏」
いちいち「思い出さない」
人生の決断は「引き算」で考える
などがあります。
感想・気づき
本書は、反応しない練習に続けて読んだので、基本編・実践編のような感じでした。
わたしが即実行したプチ修行
- ラベリングで「整理整頓」
- 「怒りの割合」を数値化してみる
- 「相手も大変なんだ」と考える
- 「目を閉じて」食べる
- 「なんとかなる}と言葉で念じる
- とにかく「作業」から始める
本書のいいところは、気になったプチ修行(練習)をすぐに試せることですね。
やってみて自分に合うものを、取り入れてみればいいと思います。
まずはやってみることです。
「これも修行のうちだ」「なんとかなる」は、
もう口グセになりました。
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まとめ
修行とは、古代インドのブッダの時代には、 bhavanā (バーヴェナー)と呼ばれていました。
直訳すれば「心を耕すこと」です。
つまり、できなかったことができるようになる。
それが、心を耕す「修行」の本来の意味なのです。
これも修行のうち。(おわりに)より
「つい反応してしまう」
そんな方は、ぜひ読んでみて下さい。
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