悩みや苦しみは人生についてまわるものです。
何ものにもとらわれず、のびのびと生きていきたいと願っている人が増えています。
大らかに、自分らしく暮していきたいという人がたくさんいます。
心静かに、安らぎに満ちた生活をしたいと思う人が少なからずいます。そのような人たちに、良寛の言葉、そして良寛の生き方は、とても参考になるのではないでしょうか。
(はじめに)より
良寛さんの生き方は、苦しい修行に明け暮れるのではなく、子供たちと遊んだり、花を見て感動したり、友人と楽しく語らったりするものでした。
そんな良寛さんの言葉はわかりやすいです。
この本にはそんな言葉が88書かれています。
僧侶でありながら自由奔放だった良寛さんの言葉は多くの人たちに共感してもらえると思います。
その中でも心に残った言葉を紹介します。
気になった方はぜひ実際に本を手に取って読んでみてください。
新潟県三島郡出雲崎町の良寛記念館による良寛紹介アニメ「天上大風」
こんな人におすすめ
- 人生に悩んでいる
- 自由に生きたい
- 人間関係に疲れている
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この記事は『こころ自由に生きる練習良寛88の言葉』
(著者) 植西 聰出版社 : 講談社 (2013/3/19)
より出典・引用して書いています。
『こころ自由に生きる練習 良寛88の言葉』要約・感想
第1章 悩んだ時に生き方が変わる
どうなるかよりどうするかが大事
災難にあう時には、災難にあえばいいのです。
それが災難を苦に思わない、もっともいい方法です。
良寛か71歳になった時に暮らしていた新潟地方が大地震に見舞われました 。
その時に被害を受けた親戚に送った手紙に書いてある書いてある言葉です。
「災難に会う時には災難に合えばいい」というのは、現状を受け入れてそこから前向きな気持ちで再出発するという意味です。
自然災害に限らず人は生きている中で多くの不幸な出来事に見舞われます。
良寛さんは覚悟を決めて現実を受け入れてしまえば、「災難を苦に思う気持ちも消える」と言っているのです。
第2章 人と比べなければ満足だ
贅沢と幸せの違いに気づく
雨の降る日は庵の中で、足をゆっくり伸ばして寛いでいると 、とてもいい気持ちがしてくるものです。
良寛さんは一人暮らしで、生活はとても質素でした。
しかしそんな暮らしを楽しんでいたようです。
仏教に「少欲知足」という言葉があります。
欲を少なくして、今あることに満足するという意味です。
「もっと、もっと」望むとそれが満たされなければ不満になり、満たされればさらなる欲望に駆り立ててしまいます。
欲をかくのではなく今あるものに満足することを心がける。そうすれば心安らかに生きていけると教えています 。
「離れる」「忘れる」ことの大切さ
世の中の煩わしいことから離れられた時, 初めて月や花の美しさを楽しむことができるようになりました。
世の中の煩わしいこととは、仕事に追われることや人間関係に気を遣うこと、お金を稼ぐために嫌なことをやることなどです。
他にも色々ありますが現代人はまさに世の中の煩わしいことに振り回されています。
良寛さんはそんな煩わしいことから離れて、心にゆとりをもてた時初めて、月や花といった自然の美しさを楽しめるようになったと悟ります。
私たち現代人も美しい自然を楽しむことがなかなかできません。
時々は煩わしいことを一切忘れることが大切です
一人になって無心になれば身の回りの自然の美しさに目が行くようになります。
第3章 平凡の居心地よさを楽しむ
楽しいことを探すのが楽しい
知り合いに送る手紙の文字がきれいに書けた時ほど、心楽しいことはありません。
人生を幸せに生きていくことのコツの一つに、「一日の生活の中で楽しい思い出をたくさんする」ということがあると思います。
誰の人生でも楽しいことはたくさんあるのではないでしょうか。
楽しいことがないという人 は自分自身で楽しいことを探す努力をしていない人だと思います。
普段から楽しい事を探す努力をしていれば字が綺麗にかけただけでも心がウキウキしてくるのです
同様に、料理がうまくできた。混んだ電車で座れた。面白い本に出会えたなど、
楽しいことは探そうと思えばいくらでも見つかるのです。
良寛さんは日常生活の中で楽しいことを見つける天才だったのです。
だからこそ貧しくても幸せで心豊かな一生を送れたのでしょう。
「 イヤなことばかりだ」と考えてる人は、生活にイヤなことしか見つけられなくなります。
子ども心はおとな心を豊かにする
春の日に小鳥が群れて遊んでいる光景を見ていると、私の心も楽しくなってきます。
子ども心を失わずに生きていくのも、人生を豊かに楽しくしていくコツの一つではないでしょうか
仕事に追われたりでストレスがたまっていたり、人間関係に悩んだりしている時には、つい子ども心を忘れてしまいがちです。
子ども心とは純真、無心、何でも面白がる好奇心などです。
それがなくなれば自然の美しい風景にしても何も感じられなくなってしまいます。
第4章 この「無心」が現代では得がたい
心配が安心を遠ざける
煮炊きをするのに必要な落ち葉は、なくなる頃にまた、風が運んできてくれます。
「 落ち葉がなくなりそうになっても心配することはありません。 吹く風がまた庭先に運んできてくれるでしょうから」
良寛さんはお湯を沸かすときなどに燃やす火には庭先から拾ってきた落ち葉を使っていました。
生活に必要になるものは真面目に暮らしていれば自然に得られるものです。
「お金がない、食べ物がない、これでは暮らしていけない。」とあまり心配するのは健康に悪いですよ。
慌てふためくことなく、大らかな気持ちで生きていきましょう。
「お金や食べ物は、落ち葉ように風が運んできてくれない」
しかし、気をもんだり、あわてふためいたりしても、お金や食べ物が用意されるわけでもありません。
真面目に生きている人は必ず報われると信じ、落ち着いて暮らしていくことが大切ではないでしょうか。
自分の悪口が聞こえてきたら
人から「良寛は変わり者だ」と噂されようとも、まったく気にせずに過ごしているのです
「私は何を言われても気にしません。静かに日々を過ごしています。」
一般的に人は自分の評判を気にするものです。
しかし良寛さんはまったく気にしません。
人から何を言われようが「この生き方こそ自分らしい生活のあり方だ」という自信があったのでしょう。
人の噂が気にかかるのは、今の生き方に自信が持てていない証拠なのかもしれません。
噂をどう受け止めるかは自分次第です。
人の目を気にするから、噂が気になってしまうのです。
第5章 ありのままの自分がいいんだよ
流れに任せるのが自然な生き方
私の生き方が何に似てるかと言えば、水に浮かんで流れていく、 綱の切れた小舟のようなものだと思います。
「水の流れのままに流れている小舟のような生き方」とは、無理することなく自然の流れに従って生きると言う意味だと言っています。
金持ちになろうとか、人に認められよう、出世や成功をしようと無理な生き方をすれば生きていくのが苦しくなっていくばかりです。
短い人生を何に使うか
人生はあっという間に過ぎ去ってしまうほど短いのです。
地位や金を求めることに明け暮れて、何になるのでしょうか。
人生は短いのですが与えられている時間はとても貴重なのです。
その時間を地位やお金を求めることに費やしている暇などありません。
地位もお金も結局は失われてしまいます。
お金をどんなに溜め込んでもあの世に持っていけません。
大事なことは自分らしく生きるということだと思います。
第6章 ほどよい人間関係に気づこう
最初の勇気が1番大きな勇気
相手を思いやる言葉を一つ言えば、次から次へと愛情のこもった言葉が口から出てくるものです。
心の中では励ましてあげたい思っても、実際に言葉をかけるのは意外に難しいものです。
「いいことを言いたい」という気持ちが強すぎて、ためらいが生じてしまうんです。
しかしそのまま黙っていたのでは心が伝わりません。
「どうしたの?」と問いかけてあげるだけでいいのです。「お疲れ様」だけでもいいと思います。
とにかく何か話しかけてあげる事です。
不思議なもので最初の一言が出ると相手を思いやる言葉が浮かんできます。
「どうしたの?元気出して。」
「お疲れ様。何か手伝うことある?」
思いやりの言葉は次の思いやりの言葉を生み出していくのです。
良寛流人付き合いのコツ
- 相手を不愉快にするのは、口の中でモゴモゴものを言うこと
- 相手を耐えられない気持ちにするのは、果てのないおしゃべり
- 相手を困らせるのは、あけすけなお世辞
言葉にならない言葉を言うと、相手にとにかく誤解を与えます。
語尾まではっきり発音すれば誤解は防げるのです。
自分のおしゃべりにいつまでも付き合わせるのは相手のイライラの原因になります。
「心にもないお世辞を言っているな」と思われてしまったらもう何を言っても相手は喜びません。
本当に褒められたいところを褒めれば、素直に喜んでくれるでしょう。
第7章 努力はたゆまず、少しずつ
失敗は自己反省の好機
悪いことをした人を「私には関係ない」と考えてはいけません
「私も同じ過ちをしたかもしれない」と自分の反省材料にすべきです。
例えば職場で仕事のミスをした同僚を見て、賢い人は「私も同じ失敗をする可能性があるかもしれない」と考えて同じ失敗をしないように自分に言い聞かせるのです。
失敗から学ぶ時自分の失敗、他人の失敗の区別はありません。
あらゆる失敗が自分の人徳を高めるために役立つのです。
待つより進むのがいい人生
人から呼ばれて 進むのではいけません。
みずから積極的に進んでいきましょう。
現代社会で言うと「指示待ち族」になってはいけないということです。
チャンスは多くはありません。
いったん逃してしまうと、もう訪れないかもしれません。
誰かの指示でしか動かない人は結局は働きがいも、生きる充実感も得られないのではないでしょうか 。
仏教に「因果応報」という言葉があります。
「 いいことをすれば幸せになれる。悪いことをすれば、必ずその罰を受けて不幸になる」という意味です。
第8章 欲が減るほど人生は美しく見えてくる
欲を捨てれば感謝が得られる
欲張った欲張った気持ちを捨てれば、満ち足りた気持ちが心に生まれます。
欲張ったままでいるから、苦しい思いをしなければならないのです。
欲張っている人と欲張らないない人では、同じ事実に対しても受け取り方が全く違うのです。
それならば欲張った気持ちを捨てて生きてく方がずっと幸せだと良寛さんは言っています。
欲にはきりがありません。
欲望はどこまで行っても満たされることはありません。
欲を捨て、現状を受け入れてこそ、心は満たされるのです。
私心が判断を誤らせる
人は自分の考えに似ている人の言うことは間違っていても正しいと信じます。
自分の考えと異なっている人の言うことは正しくても間違っていると思い込みます。
紀元前4世紀のギリシャの政治家デモステネスは「 人は信じたいことを信じる。信じたくないものは信じない」という言葉を残しました。
何が正しい事なのかを判断するには、自分の考えにこだわらず、客観的に物事を見る習慣を持つことが大切なのです。
第9章 もっと「自由自在な人」になる
今を大切に生きる
現在の生活をそのまま受け入れ、今を大切に生きていくだけです。
人生にはいい時も悪い時もあります。何をやってもうまくいく時もあれば、何をやってもうまくいかないという時もあります。
しかし良寛さんは、「今はうまくいっているとか、うまくいっていないなどと考えないほうがいい」と説いています。
- うまくいってると思うとつい調子に乗った考え方をしています
- うまくいっていないと思えば落ち込んでしまいます
自分の本分を見つけよう
私は自分の本分を守りながら、命が終わるのを待っています。
本分とは「その人が本来すべきこと」「その人の人格にあった生き方」といった意味があります。
人はそれぞれ本分を持っています。
自分の本分を守りながら生きていくのが、その人にとって最も幸せなことだと思います。
自分の本分は何かよく考え、早く自分の本分を見つけ出すことが大切です。
そうすることで、これからの幸せな生き方がはっきり見えてくると思います。
良寛は、幸せな死に方まで見通していたのではないでしょうか。
著者紹介
植西 聰 うえにし あきら
東京都出身。著述家。心理カウンセラー。学習院大学卒業後、資生堂に入社。その後独立し、「心理学」「東洋思想」「ニューソート」などに基づいた人生論の研究に従事。
1986年、研究成果を体系化した「成心学」理論を確立し、著述活動を開始する。
95年、「産業カウンセラー」(労働大臣認定資格)を取得。「知客職」(僧位)の称号も持つ。
著者には、70万部のベストセラーとなった『折れない心をつくるたった1つの習慣』(青春出版社)や『いいことがいっぱい起こる! ブッダの言葉』(三笠書房)に代表される累計50万部を超える「いいことがいっぱい起こる!」シリーズほかがある。
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まとめ
「ほかにもっと、本当の幸せを実感できる仕方があるのではないか」そのように感じながら日々暮らしている人には、良寛の言葉、良寛の生き方は、いいヒントを与えてくれるでしょう。
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