健康や栄養に関する専門書はあるが、そこには睡眠のことが書かれていない
睡眠の専門書はあるが、そこには栄養のことが書かれていない。
(はじめに)より
そこで筆者が、栄養と睡眠の知識を融合させて「睡眠改善メソッド」を構築しました。
健康の3原則は「栄養、運動、睡眠」
成功者はみんな睡眠にこだわっています。
睡眠を改善するには栄養素がポイントです。
栄養状態を改善するだけでも睡眠の質に大きく影響するのです。
それほど睡眠と栄養には、密接な関係があります
睡眠に関する最新の研究によると、理想の睡眠時間(7~8時間)と比較し、わずか1時間短いだけの6時間睡眠だった場合でも(中略)2型糖尿病やうつ病などの発症リスクが大幅に上がるということが分かってきた
(はじめに)より
栄養をベースに睡眠を改善すると、様々な体調不良の改善にもつながります。
こんな人におすすめ
- 寝起きがつらい
- 午前中は集中力が低い
- 昼食後や夕方に眠くなる
- カフェイン飲料を飲まないと体が目覚めない
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この記事は『成功する人ほどよく寝ている 最強の睡眠に変える食習慣』
(著者) 前野 博之出版社 : 講談社 (2020/8/21)
より出典・引用して書いています。
著者紹介
前野博之 まえの ひろゆき
栄養睡眠カウンセラー協会 代表理事
1967年生まれ。金沢美術工芸大学卒業後、大手電機メーカーに入社し、家電製品の開発を担当。睡眠時間が4~5時間というハードな毎日を続ける中で体調を崩し、健康の大切さを痛感。
2005年に栄養学の資格を取得。プロスポーツ選手やモデルへのアドバイス、スポーツジムでのダイエットプログラム作成、病院での栄養指導を行うかたわら、栄養に関する講演を2500回以上行っている。
この間、健康の維持には栄養の改善だけでなく睡眠も重要であるとのことから最新の睡眠学を学び、そこに栄養学を加えて独自の「睡眠改善メソッド」を構築、現在は栄養睡眠カウンセラーの育成を中心に活動中。
要約・感想・気づき
第1章 なぜ、できる人は睡眠にこだわるのか
理想的な睡眠の3つのポイント
1寝つきまでの時間
理想は10分前後。それより早い人は疲れすぎや睡眠負債がたまっている状態です。
2深い眠りと浅い眠り
人は寝ている間に、深いノンレム睡眠で記憶を整理し、レム睡眠で記憶の処理と統合を行います。
ビートルズの「イエスタデイ」は、ポール・マッカートニーが夢の中で作曲したそうです。
3睡眠の深さの変化
睡眠の深度は最初の90分で深いノンレム睡眠まで下がり、最後はレム睡眠の状態から覚醒していきます。
しかし睡眠負債が蓄積している人は、一気に深いノンレム睡眠まで落ち込み、レム睡眠が現れないまま目覚まし時計によってたたき起こされるため、寝起きがつらいのです。
第2章 世界の一流大学が睡眠改善による脳へのメリットを解明
8時間睡眠で、驚くほど持続する「集中力」
睡眠6時間は酒気帯び認知レベル
6時間睡眠を2週間続けると24時間寝ていないのと同じレベルのミスをしてしまう。
睡眠時間が4時間以下になると、交通事故を起こす危険が11.5倍になる。
眠るほど記憶力が向上する
何か学習した日には十分な睡眠をとり、さらに寝れば寝るほど記憶力は向上する。
新たに学習した日に十分に眠らないと、記憶を刻みつけるチャンスを失う。
トレーニングや試合後に十分な睡眠をとれば、筋肉や組織を修復させ、エネルギーを回復させることができます。
感情が抑制できてカッとならない
睡眠不足の状態だとイライラする。
十分な睡眠をとれば感情を抑制して、理性を保つことができます。
認知症の原因物質を脳外へ排出
睡眠の質を改善し深いノンレム睡眠が現れるようになれば、脳が清掃され、アルツハイマー型認知症のリスクを下げることができる。
本書58ページより引用
第3章 睡眠の悩み別対策
「寝つきが悪い」「夜中に目が覚める」
睡眠の悩みワースト4
- 午後に睡魔に襲われる
- 寝起きが辛い
- 夜中に目が覚める
- 寝つきが悪い
「寝つきが悪い」原因と対策
1偏食による睡眠ホルモン不足
睡眠ホルモン「メラトニン」を増やすため、朝食にしっかりタンパク質を摂る。
2緊張が続く交感神経の過活動
- ぬるめのお湯での入浴や足湯につかり副交感神経を優位にする
- アロマの香りを活用する
- 呼吸法で自律神経に働きかける
おすすめは「4-7-8」呼吸法
- 息を全て吐き出す
- 4つ数えながら、お腹を膨らませる感じで鼻から息を吸い込む
- 息を止めたまま7つ数える
- 8つ数えながら 口から息をすべて吐き出す
3脳が休息できないスマホ依存
4体内時計を乱す人工の光
5眠気を止めるカフェイン
午後2時以降にはカフェインは摂取しないようにする。
6眠気を消し去るうたた寝
夕方以降にうたた寝をすると眠気が消えてしまう。
7深部体温が下がらない冷え性
冷え性の場合、タンパク質、ビタミンB群、鉄、ビタミン などの栄養素が不足している可能性が高いので、積極的に摂取しましょう。
8眠りの質を下げる室内温度
夜中に目が覚める原因
- メラトニン不足で浅い睡眠に
- 寝酒による脳の覚醒
- 窓から差し込む明かりに注意
- 中途覚醒を呼ぶ真夏の室温
- 睡眠の質を下げる騒音
- いびきによる酸素欠乏
- 夜間低血糖を招く夜食の糖質
夜間低血糖を起こす人は、普段から糖質を摂りすぎる傾向があり、一日の中で何度も血糖値を乱高下させ、低血糖症を発症している可能性が高い。
第4章 「寝起きが辛い」
「午後の睡魔」が消える食習慣
1負債がたまり続ける睡眠不足
1日40分の睡眠負債を解消するのに、毎日十分な睡眠をとっても3週間かかる。
睡眠負債を解消するには、とにかく十分な睡眠をとるしかない。
2現代人に多い副腎疲労症候群
副腎の疲労回復で寝起きを改善
副腎は、ケガや病気、仕事や対人関係の問題に至るまで、ありとあらゆるストレス源に体が対処し、生き延びることができるように助けてくれる臓器。
副腎を疲労させるストレスはさまざまです。
- 仕事や対人関係、マイナス思考、完璧主義
- 食物繊維不足、小麦、砂糖や甘い物
- アルコール、カフェイン
寝起きの辛さの原因となる副腎疲労を改善するには、日光を浴び、運動を楽しむ。そして睡眠時間をしっかり確保すること。
糖質を含むものやグルテンを含むものなど、不適切な食品を避ける。
午後の睡魔は血糖値の安定が重要
血糖値を安定させるには、食事はたんぱく質を中心に考え、肉、魚、、卵、大豆を積極的に食べる
会席料理のように、一皿ずつ食べていく「会席食べ」を活用する。
第5章 最強の食習慣で睡眠が変わる、人生が変わる
現代の日本人は新型栄養失調
理想の栄養バランスは、たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、食物繊維の6大栄養素がとれていること。
栄養バランスが乱れている理由
- 肉食でもたんぱく質が不足
- 意識せず摂りすぎていた砂糖
- 炭水化物は小麦が増加
- 日本の野菜の栄養価が減少
- 1日平均 100gの野菜不足
- ストレスが栄養素を消費する
第6章 さらに脳を活性化させる睡眠の秘訣
- 睡眠は脳の成長に欠かせないもの
- 心の癒す「夢の力」
年を重ねると睡眠時間が減少する
20歳の平均睡眠時間は7時間45分。
50~60歳では6時間。
70歳以降では5時間45分にまで減少。
早起きは4割の人だけが得
朝型人間、夜型人間は遺伝と環境で決まる。
朝方は40パーセント、中間型が30パーセント、夜型は30 %と言われています。
夜型人間の人にとって早起きはつらいですね。
寝だめで負債は解消できない
日ごろの寝不足は、土日にしっかり寝たとしても解消することはできません。
第7章 働き盛りの落とし穴~睡眠と病気の知られざる関係
5大疾病すべてに睡眠が影響
がん、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、精神疾患
- 睡眠不足は免疫力低下に直結して予防接種が効かない
- がんの確率が睡眠不足で 40パーセント上昇
- 睡眠時間6時間以下だと、心疾患リスクが 400 %以上上昇
1日にわずか1~2時間の睡眠時間を削るだけで、血圧が上がってしまうそうです。
- 眠らないと肥満リスク7・5倍
- 2型糖尿病は睡眠不足で約2倍
- 睡眠不足でうつのリスクが6倍
第8章 健康経営は攻めの戦略~十分な睡眠が画期的なアイデアを生む
睡眠負債年間15兆円
日本は睡眠発展途上国であり、睡眠不足大国でもあるのだ。
本書第8章より
OECD(経済協力開発機構)によると日本の平均睡眠時間は33ヵ国中最下位です。
15~64歳の男女の1日の平均睡眠時間の国際比較調査(2020年)
”本書162ページより引用”
これまで人類はさまざまなものを発明し、複雑な社会を構築し、豊かな生活を送れるようになった。
それは、人類だけに与えられたレム睡眠とノンレム睡眠の奇跡的なバランスのおかげだと言ってよい。
それを忘れ、睡眠を軽視するとしっぺ返しを食らい、さまざまな疾患を抱えることになる。
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まとめ
睡眠を改善するには栄養素がポイントになります。
栄養状態を改善するだけでも睡眠の質に大きく影響するのです。
睡眠と栄養には密接な関係があります。
今日から食生活を見直して8時間睡眠をとりましょう。
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