就職と転職の失敗は、およそ7割が視野狭窄によって引き起こされる。
視野狭窄とは、ものごとの一面しか注目できなくなり、その他の可能性をまったく考えられない状態。
私たちは、仕事選びについてもっと徹底的に考え抜くべきである。
著者の鈴木祐氏は10万本の科学論文の読破している日本一の文献オタク。
本書には「科学的に正しい仕事選びの考え方」が書かれています。
これを実践すれば「キャリア選択の失敗」の確率は確実に減らせます。
キャリア選びを間違える2つの理由
- 人類の脳には、職業を選ぶための「プログラム」が備わっていない
- 人類の脳には、適職選びを間違った方向に導く「バグ」が存在している
本書が目指すゴールは、みなさんの仕事選びにおける意思決定の精度を高め、正しいキャリアを選び取る確率を上げ、最終的に人生の後悔を限界まで減らすことです。
科学的な適職 序章より
正しい職業選択のための5ステップ「AWAKE(アウェイク)」
- 幻想から覚める
- 未来を広げる
- 悪を取り除く
- 歪みに気づく
- やりがいを再構築する
こんな人におすすめ
- 思っていた仕事と実際の内容が違う
- 自分の適職がわからない
- 転職に失敗した
(新規ユーザーの初回購入は50%割引)
この記事は『科学的な適職』
(著者) 鈴木 祐
出版社 : クロスメディア・パブリッシング(インプレス); 四六版 (2019/12/13)
より出典・引用して書いています。
著者紹介
鈴木 祐 すずき ゆう
1976年生まれ、慶応義塾大学SFC卒。16才のころから年に5,000本の科学論文を読み続けている、人呼んで「日本一の文献オタク」。
大学卒業後、出版社勤務を経て独立。雑誌などに執筆するかたわら、海外の学者や専門医などを中心に約600人にインタビューを重ね、現在は月に1冊のペースでブックライティングを手がける。
現在まで手がけた書籍は100冊超。科学論文で得た知識を仕事の効率アップに活かし、1日に2~4万文字の原稿を量産するいっぽうで、ライター界では珍しい「100%締め切りを守る男」としても知られる。
科学的な適職の要約
1 幻想から目覚める
仕事選びにおける7つの大罪
- 好きを仕事にする
- 給料の多さで選ぶ
- 業界や職種で選ぶ
- 仕事の楽しさで選ぶ
- 性格テストで選ぶ
- 直観で選ぶ
- 適性に合った仕事を求める
好きを仕事にする
好きを仕事にと言ったスティーブ・ジョブズは、好きでエレクトロニクスの道に進んだわけではありませんでした。
いかにすごい成功者のアドバイスでも、あなたに合っているとは限りません。
自分の好きなことを仕事にしようがしまいが幸福感は変わらない。
天職とは、どこかにあるものではなく自分のなかで養っていくもの。
真の天職は「なんとなくやってたら楽しくなってきた」から見つかるのです。
給料の多さで選ぶ
給料が多いか少ないかは、私たちの幸福や仕事の満足度とはほぼ関係がない。
- お金を持つほど限界効用が下がる
- お金の幸福は相対的な価値で決まる
業界や職種で選ぶ
- 専門家だろうが有望な業界など予測できない
- 人間は自分の個人的な興味の変化も予測できない
仕事の楽しさで選ぶ
楽な仕事は死亡率を2倍に高めてしまいます。
ストレスが体に悪いのは確実なものの、楽すぎる仕事も幸福度を大きく下げてしまうのです。
適度なストレスがもたらすメリット。
- 仕事の満足度を高める
- 会社へのコミットメントを改善する
- 離職率を低下させる
ストレスは幸福度を上げる方向にも下げる方向にも働く。
5 性格テストで選ぶ
性格テストはタロット占いと同じ
性格判断で適職が見つかる保証はない。
直観で選ぶ
直感で考える人の人生は「自己正当化」に終わる。
ほとんどの人生の選択においては、理論的に考える人の方が人生の満足度が高く、日常のストレスも低い。
適性に合った仕事を求める
自分の強みを生かせる仕事を選んでも仕方ない。
「強みを生かせば仕事がうまくいく」わけではありません。
- 「強み」と仕事の満足度の相関はとても小さい
- 組織の中に自分と同じ「強み」を持った同僚が少なければ満足度は上がる
2 未来を広げる
仕事の幸福度を決める7つの徳目
- 自由
- 達成
- 焦点
- 明確
- 多様
- 仲間
- 貢献
自由
その仕事に裁量権はあるか。
達成
前に進んでいる感覚は得られるか。
小さな達成が仕事のモチベーションを大きく左右する。
焦点
自分のモチベーションタイプに合っているか。
明確
なすべきことやビジョン、評価軸はハッキリしているか。
賃金が不公平な企業に勤めると早死にする。
多様
作業の内容にバリエーションはあるか。
仲間
組織内に助けてくれる友人はいるか。
給料の多さや仕事の楽しさなどの要因とは関係なく、社内に良い友人がいるだけででも人生が幸福になる。
貢献
どれだけ世の中の役に立つか。
3 悪を取り除く
ネガティブはポジティブよりも600%強い。
働く環境にひとつでもマイナスの要素があると、「7つの徳目」のメリットが無になってしまいます。
ネガティブな感情はウイルスのように広がってしまう。
職場におけるストレスは受動喫煙よりも体に悪いのです。
時間の乱れ
働く時間の混乱が原因で健康リスクが増大する。
通勤時間が長くなるほど人生が不幸になります。
週41時間以上の労働で脳卒中のリスクが上がる。
プライベートで仕事のことを考えただけでも幸福度が激減してしまうのです。
職務の乱れ
仕事や報酬の内容に一貫性がないせいで体調を崩す。
不安定な賃金や勤務スケジュールなどがストレスになる。
ソーシャルサポートがない職場の悪影響は喫煙と同じ。
最高のチームに必要なのは心理的安全。
良い同僚や上司にめぐまれない人は、平均50%ほど早く死亡する傾向がある。
毎日タバコを吸い続けるほうがマシです。
職場の8大悪ワーストランキング。
- ワークバランスの崩壊
- 雇用が不安定
- 長時間労働
- シフトワークス
- 仕事のコントロール権がない
- ソーシャルサポートがない
- 組織内に不公平が多い
- 長時間通勤
4 歪みに気づく
正しい意思決定を行うためには、綿密なデータ分析よりも脳のバグを取り除くプロトコルのほうが600%も重要である
失敗を前提にして意志決定をする。
- 敗北の想定
- 原因の探索
- 過程の想起
- 対策の考案
どれだけリアルに失敗のプロセスをイメージできるかがポイント。
5 やりがいを再構築する
職場に大きな不満はないけれど…な問題。
- そんなに大きな不満はないが、同期が辞めていくので焦っている
- 今の仕事は好きだが、将来に不安があって悩んでいる
- どうしても上司が気に入らないが、それ以外は問題がない
それに対する手段
- 新たな評価値をもとに職場を判断する
- やはり失敗だったとわかれば転職
- さほどの不満ではないと判断できたら問題改善にリソースを注ぐ
関連書籍
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まとめ
正しい職業選択のための5ステップ「AWAKE」のポイント
- 幻想から覚める
- 未来を広げる
- 悪を取り除く
- 歪みに気づく
- やりがいを再構築する
- 人生の節目がきたらAWAKEのステップを使い、意思決定を行う
- それ以外のタイミングでは、ただ流れに身を任せて日々のタスクに集中する
無計画のまま享楽的に生きるのではなく、かといって適職の幻を追い続けるのでもなく、目の前の選択肢についてしっかりと考えたら、あとは人生の流れに身を任せる。
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